1. SSHでVPSに接続
まず、ターミナルソフトを使ってVPSにSSH接続します。
Bash
ssh ユーザー名@VPSのIPアドレス
2. VNCサーバーの停止
現在稼働しているVNCサーバーを停止します。
Bash
vncserver -kill :1
(:1
はVNCサーバー起動時に表示されたディスプレイ番号に合わせてください。通常は :1
です。)
3. XFCEデスクトップ環境のインストール
軽量なXFCEデスクトップ環境をインストールします。
Bash
sudo apt update
sudo apt install xfce4 xfce4-goodies
xfce4
: XFCEの基本的なデスクトップ環境です。xfce4-goodies
: XFCEに追加の便利なツールやプラグイン(ファイルマネージャーのThunar、スクリーンショットツールなど)を提供します。インストールすることをお勧めします。
インストール中に、ディスプレイマネージャーの選択を求められる場合がありますが、VNCで接続する場合はそれほど影響しません。通常はデフォルトの選択肢(gdm3
など)で問題ありません。
4. ~/.vnc/xstartup
ファイルの編集
VNC接続時にXFCEが起動するように設定ファイルを変更します。
Bash
nano ~/.vnc/xstartup
ファイルの内容を以下のように編集します。 既存の行は全てコメントアウト (#
を行頭に追加) するか、削除し、以下の内容を記述してください。
Bash
#!/bin/sh
unset SESSION_MANAGER
unset DBUS_SESSION_BUS_ADDRESS
exec startxfce4
exec startxfce4
: この行が重要です。XFCEデスktop環境を起動するコマンドです。
編集後、Ctrl+X
を押して保存するか尋ねられたら Y
を入力し、Enter
を押して終了します。
5. xstartup
ファイルの実行権限付与
念のため、xstartup
ファイルに実行権限があることを確認し、なければ付与します。
Bash
chmod +x ~/.vnc/xstartup
6. VNCサーバーの起動
XFCEを起動するように設定されたVNCサーバーを再起動します。
Bash
vncserver -localhost no
- 重要: 前回
127.0.0.1:5901
でリッスンしていた問題を回避するため、今回も-localhost no
オプションを付けて起動してください。 - もし
~/.vnc/config
ファイルに-localhost no
を記述済みであれば、vncserver
だけで起動しても大丈夫なはずですが、念のため今回は明示的にオプションを付けて起動することをおすすめします。
VNCサーバーが起動し、New 'X' desktop is your_vps_hostname:1
のような出力が表示されることを確認してください。
7. ファイアウォールの設定確認
VNCポート(通常は5901/tcp)がVPSのファイアウォール(UFW)と、さくらのVPSコントロールパネルのファイアウォールの両方で開放されていることを再確認します。
a. VPS内部のファイアウォール (UFW) の確認
Bash
sudo ufw status verbose
この出力の中に、5901/tcp
が ALLOW Anywhere
のように表示されていることを確認します。もし許可されていなければ、以下のコマンドで追加します。
Bash
sudo ufw allow 5901/tcp
sudo ufw reload
UFWが有効になっていない場合は、SSHポート22を許可してから有効にしてください。
Bash
sudo ufw allow 22/tcp # 重要: SSH接続が切断されないように
sudo ufw enable
b. さくらのVPSコントロールパネルのファイアウォール設定の確認
コントロールパネルにログインし、「ネットワーク」→「ファイアウォール」または「パケットフィルタ」の項目で、TCPポート 5901
が許可されていることを確認してください。変更した場合は、必ず保存・適用します。
8. VNCクライアントからの接続
PCにインストールされているVNCクライアントソフトウェア(RealVNC Viewerなど)を起動します。
- VNCサーバーのアドレス:
VPSのIPアドレス:1
(例:192.0.2.100:1
) - パスワード:
vncserver
コマンドで設定したVNCパスワード
上記のアドレスとパスワードを入力して接続を試みてください。
9. 動作確認
VNC接続後、XFCEデスクトップが表示されることを確認します。GNOMEよりも軽快に動作するか、メモリ不足のメッセージが減少するかなどを観察してください。
これで、より軽量なXFCEデスクトップ環境がVNC経由で利用できるようになるはずです。
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