スワップ領域は、物理メモリ(RAM)が足りなくなったときに、ハードディスク(またはSSD)の一部を一時的にメモリとして利用する機能です。これにより、メモリ不足によるシステムクラッシュやフリーズを防ぐことができますが、ディスクアクセスはRAMに比べて格段に遅いため、パフォーマンスが低下する可能性があります。あくまで物理メモリ不足の補助的な手段として考えてください。
現在のスワップ領域の確認
まず、現在のシステムのスワップ領域の状況を確認します。
Bash
free -h
出力の Swap:
の行を確認してください。 例:
total used free shared buff/cache available
Mem: 7.7Gi 2.1Gi 4.5Gi 280Mi 1.1Gi 5.2Gi
Swap: 2.0Gi 0B 2.0Gi <-- ここ
Swap
の total
が0Bの場合、スワップ領域が設定されていません。
スワップ領域の追加方法(スワップファイルの作成)
最も一般的な方法は、既存のファイルシステム上にスワップファイルを作成して利用することです。
1. スワップファイルの作成
まず、スワップファイルを作成します。ファイルのサイズは、必要に応じて調整してください。一般的には、物理メモリの1倍~2倍程度が推奨されます。
ここでは例として、2GBのスワップファイルを作成します。
Bash
sudo fallocate -l 2G /swapfile
sudo fallocate -l 2G /swapfile
:fallocate
コマンドは、指定されたサイズのファイルを作成し、ディスク上の領域を割り当てます。これにより、即座に指定されたサイズのファイルが作成されます。
2. スワップファイルのパーミッション設定
セキュリティのため、作成したスワップファイルのパーミッションを厳しく設定します。rootユーザーのみが読み書きできるようにします。
Bash
sudo chmod 600 /swapfile
3. スワップ領域としてフォーマット
作成したファイルをスワップ領域として認識させるためにフォーマットします。
Bash
sudo mkswap /swapfile
4. スワップ領域の有効化
作成したスワップファイルをシステムで有効にします。
Bash
sudo swapon /swapfile
5. スワップ領域が有効になったか確認
再度 free -h
コマンドを実行して、スワップ領域が追加されたことを確認してください。
Bash
free -h
Swap:
の total
が増えているはずです。
6. 永続的な設定(再起動後もスワップを有効にする)
現在の設定は、システムを再起動すると失われてしまいます。再起動後も自動的にスワップ領域が有効になるように、/etc/fstab
ファイルを編集します。
Bash
sudo nano /etc/fstab
ファイルの末尾に以下の行を追加します。
/swapfile none swap sw 0 0
Ctrl+X
を押し、Y
を入力して保存し、Enter
で終了します。
これで、次回システムを再起動しても、このスワップファイルが自動的に有効になります。
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